マウス操作を長時間していると、手首や指、ヒジ、肩などが痛いと感じることはありませんか。
時々感じるならともかく、毎日痛みを感じるという方は「マウス腱鞘炎」の恐れがあります。マウス腱鞘炎とは、マウスの使い過ぎによって起こる身体の不調です。
マウス操作は一見すると楽な動きに思えますが、マウスを動かすのはもちろん、クリックをしたり、スクロールをしたりと頻繁に細かい動きを要求されます。
これを長時間または毎日続けていると、手首や指にかかる負担は非常に大きくなり、腱鞘炎となるのです。
「もしかしてマウス腱鞘炎かも?」と気になった方は、下記のマウス腱鞘炎チェックシートを確認してみましょう。1分程度で終わります。
マウス腱鞘炎チェックシート
次のうち、思い当たるものはいくつありますか?
- パソコンのモニターが体の正面にない
- 毎日長時間パソコンを使っている
- パソコン作業中、足を組んでいる
- キーボードの手前に書類を置いている、キーボードの位置が遠い
- 受話器を耳と肩で挟んだままパソコンを操作することが多い
- 便秘・下痢、胃の痛みなどが多い
- 目の疲れ、痛み、かゆみがある
- パソコンの使用が原因で手首やひじを痛めたことがある
- 脚、尻、腰、背中、首、肩、頭のうちのいずれかが1~2日間痛むことがある
- 腕を交互に伸ばして上げた時、どちらかの腕が耳にくっつかなかったり、肩やひじが痛む
- 仰向けでは寝にくく、横向きかうつ伏せで寝ている
- 1日に30分以上歩くことがない
上記チェック項目のうち、7個以上当てはまった方はマウス腱鞘炎の可能性が高いです!
放っておくと重症化する恐れがあるため、早めに対処しましょう。
マウス腱鞘炎を防ぐには?
では、マウス腱鞘炎を良くするためにはどうすればよいのでしょうか。
一番の対処法は「マウスやキーボードを使う頻度を減らす」です。
マウスやキーボードの使い過ぎで手首や指に負担をかけてしまっているので、単純に休ませてあげれば腱鞘炎の症状はよくなっていきます。
しかし仕事などありますから、現実的にマウスやキーボードの使用頻度を減らすのは難しいでしょう。
そこで、なるべく手首や指に負担をかけない方法をここでは紹介していきます。
マウス腱鞘炎を防ぐ4つの方法
正しい姿勢でマウスを使う
マウス腱鞘炎の原因は、マウスの使い過ぎだけではなく、姿勢が原因の場合もあります。
マウスは体から近い位置に置く
普段マウスを体から離れた位置に置いて操作している方は要注意です。マウスが体から遠いと、常に腕を伸ばした状態になるため非常に負担がかかります。
マウスはなるべく体から近い位置に引き寄せて使いましょう。
マウスの理想的な配置は、キーボードのすぐ下。またはキーボードのすぐ横の利き腕側にマウスを置くと良いでしょう。
肘は直角に曲げる
マウスを持つヒジは直角に曲げて、手首が真っすぐになるように椅子の高さを調節しましょう。
また椅子に肘掛けがあれば、なるべく机の面と肘掛けの高さを同じにすると良いです。負担がより軽減されます。
椅子は足の裏全体が床につく高さにする
椅子の高さは、背筋を伸ばした状態で、足の裏全体が床につく高さに調節しましょう。
もし机が高くて、足の裏が床につかない時は、足台を利用すると良いです。紙を詰めた段ボール箱を足台にするのも良いのですが、見栄えが悪いと感じるなら専用の足台もあるのでチェックしてみてください。
マウスに手は軽く添える
マウスは強く握らないようにしましょう。手に負担がかかって、疲れやすくなってしまいます。
大抵のマウスは手の形に合うように設計されていてるので、軽く手を添えるだけでも十分に使用することができます。
マウスを変える
最近のマウスはなるべく疲れにくいように設計されていますが、より手に負担をかけないよう開発された特殊なマウスも販売されています。
「普段使うマウスだと疲れる」と感じる方は、手にやさしいマウスに変えてみるのも一つの手です。
人間工学に基づいて設計された「エルゴノミクスマウス」


「エルゴノミクスマウス」は、人間工学に基づいて設計された「手首への負担を軽減するマウス」です。
通常のマウスは手首を常に90度ひねった状態で使用するため、手首への負担が非常に大きいです。エルゴノミクスマウスは、手首をひねらないよう自然な状態でマウスを握れるため、負担が軽減されます。
最初は取っつきにくく感じますが、慣れれば疲れにくく快適にマウス操作ができます。

サンワサプライ
ブルートゥースエルゴマウス
指だけで操作する「トラックボール」

「トラックボール」は、搭載されたボールを指先で動かして操作するマウスです。
腕を動かしてマウス本体を操作する必要がないため、手や手首への負担が減ります。
長時間使っていても疲れにくいというメリットはありますが、指先を細かく動かすため指への負担は大きくなります。また操作方法も特殊なため、こちらも慣れは必要です。

サンワサプライ
トラックボール
リストレストを使う
マウスを操作している時、頻繁に手首を机に当てたり、擦っていたら要注意です。
手首が圧迫されたり摩擦で痛みが生じ、腱鞘炎の原因になります。
手首を直接机に当てないためには、「リストレスト」を利用すると良いでしょう。
筆者も手首を机に当ててマウスを操作するクセがあったため、一時期はひどい腱鞘炎に悩まされていました。低反発のリストレストを使用してからは、手首に痛みを感じることが全く無くなったため、非常に助かってます。
手首の形に添って変形するリストレストがおすすめですが、タオルを折り畳んで代用する手もあります。

エレコム
リストレスト
まとめ
パソコンをよく利用する人ほど、引き起こしやすいマウス腱鞘炎。
腱鞘炎になると、仕事のパフォーマンスも落ち、最悪の場合は日常生活にも支障が出ます。
痛いと感じたら放置はせず、なるべくすぐに対処しましょう。